急に寒くなると体もいろんな所が不調を感じやすくなります。 頭痛、肩こり、腰痛、膝の痛みなど・・・中でも、この時期心配になるのが急性の腰痛です。
急性の腰痛は『急性腰痛』『椎間捻挫』とも呼ばれ、せきをしたり、中腰で重いものを持ったはずみに、いきなりグキっという衝撃と共に腰が強烈な激痛に襲われ動けなくなる症状です。 腰椎が瞬間的にずれてしまい、腰の筋肉が負荷に耐え切れずに炎症を起こしてしまっているのです。 急性の腰痛と呼ばれるものは、検査をしても椎間板や骨格組織にも異常が認めらないし、神経痛も発症しません。 こうして、目立ったものがないにも関わらず、腰痛の症状がある場合には、急性の腰痛や急性腰痛、椎間捻挫などの症状名がつけられることになります。 中高年の人に多くみられる症状だと思いがちですが、20代や30代の若い層の人達にも増えています。
急性の腰痛の原因
急性の腰痛はどうしたら起きるといったはっきりした理由がありません。 原因は様々で、急性の腰痛になる人の数だけ原因があると考えた方がよいでしょう。
その中でも原因は3つ挙げられますが、根本的な原因になっているわけではなく、様々な要因が絡みあい急性の腰痛という結果になっているのです。 また、体重や筋肉のパランスや生活習慣、または生活環境、体質なども考えられます。
①筋肉疲労
急性の腰痛は突然起こりますが、症状としていきなり表れるだけで、ゆっくりとその原因となるものは進行しているのです。 中腰で荷物を持上げようとした瞬間に激痛が走ったり、よろめいてちょっと片足を勢いよくついてしまった瞬間などに急性の腰痛になりやすいですが、日常の中で同じ動作をしても平気だったのに、ある瞬間に急性の腰痛になってしまうのです。 これは、少しずつ溜め込んだ筋肉疲労が、あるとき負荷の許容量を超えてしまい、腰痛として発症してしまったと言えるでしょう。 日常生活を送る中で筋肉疲労は必ず起こりますが、人間はそれを回復するメカニズムを持ち合わせています。 しかし、睡眠不足や栄養バランスが取れていなかったり、運動不足や座りっぱなしの仕事を続けるなどしていると、筋肉疲労が回復することなく徐々に蓄積されていき、やがて腰痛を招いてしまうことになるのです。
②骨格の歪み
私たちの日常を振り返ってみると、立ちっぱなしの仕事や座りっぱなしの仕事に就いていると、長時間限られた姿勢でいることが多いでしょう。 こうすることで、身体の柔軟性が失われていき、同じ骨格や筋肉だけを使うことになってしまいます。 そうして、使われている筋肉には負荷がかかり、使われていない筋肉は少しずつ緩んでいきます。こうしたことが筋力のアンバランスを生み出し、骨格の歪みを招いてしまいます。 歪んだ骨格は左右のアンバランスを生み出し、その周囲の筋肉への負荷に変わります。身体のバランスをとろうとする代わりの筋肉にも徐々に筋肉疲労が蓄積され、やがて腰痛につながるのです。
③いきなりの過負荷
若い人やスポーツ選手に多い原因の1つで、高いところから飛び降りた着地の瞬間や、勢いよく振り返った瞬間、横になっていて勢いよく起き上がった時など、止まっている状態からいきなり動いた時や、動きの急激な切り替えの時に、腰にいきなりの過負荷がかかり、急性の腰痛を起こしてしまいます。
急性の腰痛になりやすい人の傾向
①同じ姿勢で長時間いることが多い人
- 運動不足で身体をあまり動かさない
- 車の運転をすることが多い
- 寒いところに長時間いることが多い
②腰に負担がかかる習慣がある人
- 太り気味で体重が多い
- ハイヒールを履くことが多い
- いつも同じ肩にかばんをかける
- 足を組む癖がある
③腰に負担をかける動作が多い人
- 重い荷物を持ち運ぶ機会が多い
- 腰を曲げたりひねったりすることが多い
また、精神的なストレスが溜まりやすい人も、急性の腰痛になりやすいといわれています。 なぜなら、精神的なストレスを感じていると筋肉がこわばりやすいからです。
急性の腰痛の予防のポイント
①腰に疲れをためない
●こまめにストレッチをする
腰の筋肉が凝って固まると、疲れがたまりやすくなるので、こまめに腰の筋肉をほぐしてあげましょう。
●体を冷やさないように温める
身体が冷えてしまうと、筋肉が硬くなって固まってしまいます。 特に冬などの寒い季節は身体が冷えがちなので、カイロなどを利用して背中や腰の筋肉が冷えないように温めましょう。
●ストレスをためこまない
ストレスがたまることでも筋肉は凝り固まってしまいます。 自分なりのストレス発散方法を用意しておきましょう。
②膝を使って腰の負担を減らす
●床に落ちたものを拾うときは、腰を折り曲げずにひざを曲げて屈み、上半身は伸ばしたままにしておく。
●重いものを持ち上げるときは、胸を張った状態で、ひざの曲げ伸ばしを使って荷物を持ち上げる。
急性の腰痛の対処法
①激痛で動けない時は「安静」と「アイシング」
急性の腰痛が発症してすぐは、炎症をおさえることが第一です。 腰をむやみに動かさず安静にして、しっかりと休みましょう。
●まずは無理せず安静にする
急性の腰痛で激痛を感じているときは、安静にするのが一番です。 痛みが楽になる格好で横になりましょう。 仰向けの場合はヒザの下に枕などをかませたり、横向きの場合は腰を丸めたりすると、腰の負担が減って楽になります。
●炎症を抑えるためにアイシング(冷却)する
急性の腰痛は腰の捻挫(ねんざ)です。 ねんざすると炎症を起こすため、腰をアイシング(冷却)しましょう。冷却湿布を貼るのがオススメです。
●コルセットなどで腰を固定し腰への負担を減らす
コルセットなどで腰を固定すると、腰への負担が減り、痛みが軽くなります。
※激痛の時の注意点
- 急性の腰痛が発症したばかりで激痛で動けない時期は、腰への血流が増える行動は炎症をひどくするので避けましょう。そのため、以下の行動は痛みがおさまるまでは控えてくださいね。
- 飲酒をしない
- 入浴しない(浴槽につかる)
- マッサージをしない
- 無理な運動をしない
②痛みが和らいできたら、日常生活程度に腰を動かし、身体を温める
次は、急性の腰痛の激痛がおさまり、少し動けるようになってからの対処法です。 ここで重要なのは「日常生活程度に腰を動かすこと」と「身体を温めること」です。
●なるべく普段通りの生活を送る
急性の腰痛だからといって数週間身体を動かさずにいると、かえって改善せずが悪くなってしまい、急性の腰痛が再発しやすくなります。 激痛がおさまって動けるようになったら、少しずつ、普段通りの生活に戻していきましょう。
●腰を温める
激痛がおさまると、炎症もひいてきます。 そうなったタイミングで、次は血流を良くするために腰を温めましょう。 温熱タイプの湿布を貼ったり、お風呂にゆっくりと浸かるのがオススメです。 ただし、お風呂に浸かって痛みが強くなったときは、炎症がまだ残っている可能性があるので、すぐに湯船から出るようにしてください。
●必要に応じて痛み止めの薬を服用する
痛みが気になって寝たきりの期間が増えてしまうと改善が遅くなります。 必要に応じて痛み止めを活用しつつ、身体を動かしましょう。 もし、あまりにも長く痛みが続いている場合は、急性の腰痛以外の症状の可能性もあるので、医療機関に相談してください。
●無理のない範囲で腰痛体操をする
まず仰向けに寝て、足の裏を床につけて、ヒザを曲げつつ、ゆっくりとヒザを左右に倒します。 そして次にヒザを抱え込みます。 これを何度か繰り返しましょう。どちらの動きも、少し痛いと感じる程度までにしておくことがポイントです。
※痛みが和らいでからの注意点
- 飲酒はしない
- アイシングはしない
- 以上が急性の腰痛になってしまったときの対処法です。基本的には、急性の腰痛は「安静にして回復を待ち、回復してきたら動く」というシンプルな対処法で回復します。急性の腰痛になると激しい痛みがあるので、ちゃんと改善するか心配する人が多いですが、対処法をきちんと行えば、多くの場合は数週間でよくなりますので安心してください。
もし、「急性の腰痛を早めに改善したい!」という方はプロに相談してみるといいでしょう。 しっかり診てもらいたいと思ったら、まずは整形外科に行きましょう。 整形外科の場合、レントゲンを使って検査してもらうことができるので、ほかの病気ではないという確認もとれて安心だからです。 そこで「やっぱり急性の腰痛です」と診断されたときは、医師の指導に従ってください。 また、急性の腰痛の痛みが和らいできた時期なら、腰の回復を早めるために整骨院や接骨院、鍼灸院などに行くのもオススメです。 腰周辺の筋肉の緊張をほぐしてもらえるだけでなく、骨のゆがみを整えてもらえるので、腰の回復を早めることができます。 ゆがんで固まっている体だと血液の循環も悪く、栄養も細胞に行きとどかないので体の改善が遅くなるのです。 急性の腰痛をしてから痛みは大体とれたけど腰の調子が良くない場合あります。 この時、腰の痛めた筋肉の炎症は落ち着いてもゆがみが残っているから体がうまく動かせない可能性があります。 急性の腰痛が癖になっているとか、毎年いつも急性の腰痛を起こしている人もいますが、それは急性の腰痛が癖になっているのではなくて、その方の日常生活の体の方にゆがんでる癖が残っていて、体に負担が毎回かかるためにどうしても繰り返してしまうと考えられます。 寒くなると増える急性の腰痛、もう2度と辛い思いをしたくないですよね?! 急性の腰痛になる前に体のゆがみをとり体のケアしておきましょう!!
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