妊娠中からリラキシンというホルモンによって緩んでいた骨盤は、産後、赤ちゃんの娩出によって最も緩んだ状態になっています。
また子宮も下がっているので、産後も正しい姿勢で骨盤をしっかり締めておかないと、ひどいケースでは歩けないほどの腰痛、恥骨結合の離開、出血が止まらないなどのトラブルが生じることもあります。
産後の骨盤を開かせない!歪ませない!ためにも正しい姿勢をまず知っておく必要があります!
産後の正しい姿勢に関する詳しい記事は以前こちらの記事でご紹介していますので
合わせてご覧ください。
では、産後の腰痛や骨盤のゆがみからくるトラブルを改善するためにはどうしたらいいのか。ご紹介していきたいと思います。
出産直後から1~2週間は骨盤をしめましょう
少なくとも産後1~2週間は骨盤を締めましょう。
もちろん妊娠中から骨盤を締めておいた人は、このようなトラブルも生じにくくなり、産後に起こりがちな尿モレ、便秘、腰痛などのマイナートラブルもかなり予防することができます。
骨盤は、できれば2カ月程締めるのが理想的です。
なぜなら緩んだ骨盤の靭帯が元の強さを取り戻すのに、2カ月間は必要だからです。
ただし締めても締めなくてもあまり変わらない状態になり、かえって締めているのがわずらわしく感じるようになったら、無理に締め続ける必要はありません。
骨盤の締め方「おしりの穴を締める」エクササイズはこちらで紹介しています。ぜひご覧になってください。
産後の骨盤の状態
恥骨結合が緩んで、裾広がりに開いた骨盤になってしまうことが多いです。
骨盤が開いたままに放置しておくと…
腰痛になり、ギックリ腰を何度も起こしやすい体に
開いた骨盤に内臓が入り込み、下っ腹が出る
ヒップが大きくなる
下半身の血行が悪くなり、むくみや冷えの原因になる
尿道・膣・肛門が締まらないため、尿モレ・子宮脱・痔を起こしがちとなる
帝王切開のママの場合、手術創を保護して、締めましょう。
帝王切開のママは、骨盤のダメージは少ないと思われがちですが、産後はやはり骨盤が広がり、ゆがんだ状態になっています。
経腟分娩したママ同様、骨盤をしっかり締めましょう。
ただし、締めるときには創面(傷あと)を薄手のタオルなどで保護し、その上からさらしやベルトで締めます。
タオルの上に薄い木綿のゴム編みの腹巻をしてさらしを巻いてもいいでしょう。
布団、ベッドからの立ち上がる姿勢
北野 優旗
出産直後は、骨盤高位でベルトなどで骨盤を締めてから、起き上がる準備をしましょう。
片方のひざを曲げて、もう一方も曲げて体を横向きにする
ひじと腕で状態を支えながら、起き上がる (体のむきは倒しやすい方でOK)
ベッドの上で正座をして背筋を伸ばし、脚や背中の筋肉に立ち上がる準備をさせる (布団の場合も同じ)
片足ずつ床に足を伸ばし、両足で立ち上がる (布団の場合は、両手で状態を支え、ゆっくりと立ち上がる)
立ち上がったら、骨盤のおしりを締めて、ゆっくり腰を回しましょう。
足を肩幅くらいに開き、頭の位置をなるべく動かさずに腰を回します。
楽に回せるほうに10回、回しにくい方に5回、繰り返します。
つらいときは壁に手をついて行いましょう。グラつきを抑え、腰痛予防になります。
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