妊娠中からリラキシンというホルモンが分泌されます。
そのリラキシンの作用は、分娩時に赤ちゃんがスムーズに出てこられるようにママの産道周辺の関節や靭帯を緩ませます。
さらに産後の骨盤の状態は、赤ちゃんの娩出によって最も緩んだ状態になっています。
また子宮も下がっているので、産後も骨盤をしっかり締めておかないと、ひどいケースでは歩けない、恥骨結合の離開、出血が止まらないなどのトラブルが生じることもあります。
すくなくとも産後1~2週間から少しずつ骨盤を締めることをおすすめします。
産後直後は決して無理をして体を動かすことはできませんので 出産直後1~2週間から誰でも簡単に行える「寝ながら骨盤1分体操」をご紹介します。
産後直後の骨盤の状態ってどうなってるの?
恥骨結合部分では、最大で9mm程広がります。 よく産後の骨盤がグラグラという表現をされていたりします。 赤ちゃんが出て来るために緩んでいるので緩んで当然と思ってくださいね。 赤ちゃんの頭の大きさは直径10センチほど(ソフトボールだと3号ぐらい)といわれています。 そんな直径10センチの赤ちゃんの頭が出て来るためには骨盤が緩んでいないとダメですよね。 産後はこの仙腸関節や骨盤底筋といった関節、筋肉、靭帯がゆるんでいる状態です。骨盤が全体的に緩んだ状態です。
産後のトラブル【トップ5】300人アンケート実施!
産後のトラブルは、人によってさまざまです。 私の整体院(きたの均整院)に通う産後のママさん300人にアンケートを実施したところ、このような産後トラブルが多いようです。
1位 | 骨盤の広がりから体型が戻らない | 116人 |
2位 | 腰痛 | 59人 |
3位 | 髪のトラブル | 46人 |
4位 | 頭痛・肩こり | 39人 |
5位 | 便秘・痔 尿モレ・膣の緩み | 24人 24人 |
開いた骨盤をそのまま放置していると
産後の身体は、出産により骨盤が大きく歪み、正常の位置からはズレた状態になっています。 骨盤が、妊娠前の位置に戻らず歪んだままの場合、身体を支えている腹筋や背筋等の筋肉が衰え、血流が悪くなり、基礎代謝がうまく行われなくなります。 1年だけでも放置してしまうだけで、太りやすい体質になります。 また、下腹や猫背といった身体全体のゆがみを併発します。 他にも肩こりや腰痛・むくみ・身体の冷え・便秘の原因を作ります。 さらには婦人科系のトラブルも発生してしまいます。 体型年齢は一気に落ちてしまうのです。一生ポッコリお腹と共に体型がキープされてしまうのです。 では次に、骨盤がどの程度開いていたり、緩んでいるかチェックすることができます。 さぁ試してみましょう。
あなたの骨盤の「緩み」チェック
妊娠生活やお産に大きな影響が出てくる骨盤の緩みやゆがみ、開きです。 まずは自分でチェックしてみましょう。チェック方法は簡単です。 2回の測定で、その差が緩みの程度となります。
最初に立って状態で(お尻が一番ふっくらとしたところ)にメジャーを当てます。 それから、お尻をタオルなどで高くして1分ほど休み、腰回りを図ります。
メジャーを当てたまま、起き上がります。 そのままメジャーをしっかり押さえて立ちます。立って少しメジャーを押さえる力を緩めると、ずるずると腰回りが大きくなります。
2cm以内 | あまり緩んでいません |
2~5cm | 一般的によくある程度の緩みです |
5cm以上 | 骨盤がかなり緩んでいます。 |
2cm以上ある場合は、今すぐ骨盤を締めましょう! 産後直後の1~2週間で安心して行える「寝ながら骨盤1分体操」です。
産後1~2週間からするべき簡単な1分「寝ながら骨盤体操」!
❶産後1~2週間で行うタオルで「寝ながら骨盤1分体操」
❶ 楽に引き寄せられるひざを確かめよう
仰向けに寝て、両膝を抱えます。このとき首の下に枕、お尻の下にタオルを巻いて入れます。 ひざに両手を添えて、胸の方に向かって片方ずつひざを引き寄せます。どちらのほうの膝が、より痛みやぎこちなさが少なく楽に引き寄せられるか、確かめましょう。 骨盤を気持ち良い程度にさらしで固定して行っても構いません。
❷ 楽なほうのひざを軽く引き寄せる
❶で楽に感じた方のひざに手を添え、息を吐きながら胸にむかってそーっと引き寄せます(このとき反対側のひざが自然に少し伸びることが多いです。まあ、ひざが少し内向きや外向きに動く場合もありますが、無理せずそのまま自然に任せていてOK)。引き寄せたままの状態で5~10秒呼吸します。
❸ 吐く息と同時にひざを脱力して
最後の呼吸で息を吐くタイミングに合わせて、膝を緩めます。 このとき1の両膝を抱えたポーズに戻ります。そのまま5~10秒、静かにゆっくり呼吸します。脱力した後の気持ち良さや背中が温まる感覚を味わいながら2→3を3回繰り返します。
❹ 反対のひざでも❷→❸を1回行う
反対のひざでも❷→❸と同じ動きを1回行います。ひざに手を添え、息を吐きながら胸に引き寄せます。もう一方のひざは自然い伸びますが、気にせず手を添えます。膝を引き寄せた状態のまま5~10秒呼吸し、最後の吐く息と同じタイミングで膝をふわっと緩めます。そのまま動かずに5~10秒呼吸します。
【最後に】産後は無理をせず寝ながら骨盤周辺の筋肉を引き締めることが大事
産後は子宮の収縮がはじまり、胎盤がはがれた後の子宮壁からの出血、粘膜や分泌物が排出されます。 このような産褥期ではまだ体に無理をしてはいけません。 となりで赤ちゃんが寝静まった機会などに、ママさんも寝ながら骨盤を締める体操をするといいと思います。 本格的に体を動かせるのは、出血が止まる8週目くらいから徐々に体を動かしていくといいと思います。 今回は産後直後から3週目までの期間にできる「寝ながら骨盤体操」をご紹介しましたが、次回の記事では「3週目~4週目」の骨盤体操をご紹介します。 体も少しずつ動かせるようになりますので、骨盤周辺の筋肉の引き締め体操もレベルアップしていきましょう。 そして元の体型以上のスリムなカラダを目指して頑張っていきましょう。
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